9/10ベンチャーズ野田ライブ


千葉県野田市に、ベンチャーズの公演を見に行って来ました。8月6日に長野の上田駅で遭遇した時、機会があれば見に行きたいと思っていて、実現しました。海外アーティスト公演を見るのは、3年前ポール・マッカートニー以来です。前から14列目という、舞台にかなり近い席でした。

今回の来日メンバーは、ドン・ウィルソンさん(リズムギター)、ジェリー・マギーさん(リードギター、ベースギター)、ボブ・スポルディングさん(ベースギター、リードギター)、リオン・テイラーさん(ドラム)です。


セットリスト(オリジナルアーティストがある場合は、可能な限り併記):
1.Born To Be Wild(ワイルドで行こう)(ステッペンウルフ) 2.Telstar 3.Driving Guitars 4.田園(玉置浩二) 5.ジュリアに傷心(チェッカーズ) 6.Green River 7.Mistery Train(エルヴィス・プレスリー)(Vo:ジェリー・マギー) 8.Carribean(Vo:ドン・ウィルソン) 9.Penetration 10.京都の恋(渚ゆう子への提供曲)〜黒くぬれ(ローリング・ストーンズ) 11.Slaughter on Tenth Avenue(10番街の殺人) 12.Walk Don't Run(急がば廻れ)'64 13.Wipe Out (休憩)
14.Walk Don't Run(急がば廻れ) 15.Blue Dawn 16.The Ninth Wave 17.バン・バン・バン(スパイダース) 18.雨の御堂筋(欧陽菲菲への提供曲)〜京都慕情(渚ゆう子への提供曲) 19.Classical Gas(メイソン・ウィリアムズ) 20.銀座の恋(和泉雅子山内賢への提供曲) 21.ブラック・サンド・ビーチ(加山雄三) 22.School Daysチャック・ベリー)(Vo:リオン・テイラー) 23.I Fought The Law 24.Aquarius(輝く星座)〜Let The Sunshine In(フィフィス・ディメンション) 25.House of The Rising Sun(朝日のあたる家)(アニマルズ) 26.Hawaii Five O 27.Diamond Head〜Pipeline (アンコール)28.Caravan


いきなり、「ワイルドで行こう」からノリノリの演奏でした。曲が終わってすぐ、リオンさんが「今年も日本にくることが出来て嬉しいです」と、日本語交じりで挨拶しました。その後も、主にリオンさんがMCをつとめ、6月に「シンハツバイ」されたCD(『J−ロック・サマー・ウィンド〜メロディーズ・イン・メモリーズ』)を手に持ちながら、日本語交じりで宣伝をしていました。

そして、そのアルバムから96年の「田園」と85年の「ジュリアに傷心(ハートブレイク)」を演奏しました。特に、「ジュリア〜」はベンチャーズに合う曲だと思いました。何せ、チェッカーズが歌った当時の一連のヒット曲は、オールディーズ風な曲が多かったですから。考えてみれば、昨年ドラムのクロベエさん(徳永善也さん)が亡くなっており、やはりドラマー(96年、リオンさんの父親でオリジナルメンバーのメルさん)を亡くしたベンチャーズが演奏したというのも、何か因縁めいていると思いました。

ボーカル曲が2曲続いた後の「Penetration」では、ドンさんの稲妻のようなカッティングは強烈でした。お待ちかねの「京都の恋〜黒くぬれ」のメドレーでは、あのシタール風な音は、違うギターだということがわかりました。「ドン、ドン、ドン」という鋭いリズムにノリながら、思わず歌詞を口ずさみました。「10番街の殺人」では、中間部でボブさんがベースのネックを上下に動かしながら、おどけた感じで演奏していたのが印象的でした。

40分の演奏で、一時休憩が入りました。なるほど、これなら見るほうも演奏するほうも楽だと思いました。

休憩後、ボブさんが数曲リード・ギターをつとめました。「バン・バン・バン」の演奏を聴いている時、ふと堺正章さんや井上順さんやムッシュかまやつさんの顔が思い浮かんで来て、思わずニヤリとしました。「雨の御堂筋〜京都慕情」のメドレーでは、再びリードギターがジェリーさんになり、アコースティックギターで演奏しました。私が生まれて初めて好きになった曲だった「雨の〜」でも、やはり思わず歌詞を口ずさみました。菲菲さんが歌う時のパワフルなアレンジとは対照的な、シンプルな演奏がとても新鮮でした。「京都慕情」も、しっかり歌詞を覚えていけばよかったと思いました。続く「Classical〜」でのジェリーさんのギターテクニックにも、舌を巻きました。

再び、エレキをフィーチャーした曲が続きます。みずがめ座ということもあって大好きな「輝く星座」の次に演奏された「朝日のあたる家」(わざわざドンさんは、日本語のタイトルで紹介していました)では、ジェリーさんがギターソロを弾きながら客席を回りました。私のそばにも来てくれて、ラッキーでした。最後は、おなじみのベンチャーズ曲を演奏し、いったん4人は退きました。それにしても、ジェリーさんもドンさんも、ギター・サウンドが大変多彩なのに、足元を見てもエフェクターが2〜3個くらいしかなく、演奏者の技術次第なのだなと痛感しました。

そして、「アンコール」の手拍子に合わせて再び登場した4人に、客席から花束などのプレゼントが送られました。その中には、幸運なことにリオンさんからドラムスティックをもらった女性もいました。

アンコールの「Caravan」では、そのリオンさんの約10分に及ぶスーパードラムソロが圧巻でした。途中で、ベースのボブさんが近づいて、リオンさんがスティックでベースの弦を叩いて音を出すという場面もバッチリ見ることが出来ました。最後は、大いに盛り上がってコンサートは無事に終わりました。

本当に、行ってよかったです。2時間近い公演が、あっという間に過ぎました。7月から始まった日本ツアーも、今日の大宮で終わりですが、また来日したらぜひ見に行きたいと思いました。

これからも、お体に気をつけて、長く活動を続けていって欲しいです!