【洋楽名曲】2014/8/3ベンチャーズ相模大野ライブ
今日、個人的には9年ぶりとなるザ・ベンチャーズのジャパンツアーを見に、神奈川県の相模女子大学グリーンホールに行って来ました。今年が結成55周年、1962年が初来日の彼らにとって今回は、何と68回目の来日公演だそうです!
公式HPによると、ベンチャーズが影響を与えたミュージシャンとして、ジョージ・ハリスン(ビートルズ)*1、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)、ロジャー・グローヴァー(ディープ・パープル)、キース・ムーン(ザ・フー)などそうそうたる顔ぶれがいます。日本でも、寺内タケシ、高中正義、Char、高見沢俊彦など名だたるミュージシャンが影響を受けています(敬称略)。
今回のメンバーは、ドン・ウィルソンさん(1933〜、リズム・ギター)、ジェリー・マギーさん(1937〜、リード・ギター、ベース)、ボブ・スポルディングさん(1947〜、ベース、リード・ギター)、リオン・テイラーさん(1955〜、ドラム)です*2。
曲目(セットリスト)*3(オリジナル・アーティストは可能な限り表記)
1.パイプライン(シャンティズ)
2.10番街の殺人(ミュージカル『オン・ユア・トーズ』挿入曲)
3.ブラック・サンド・ビーチ(加山雄三)
4.サマー・タイム・ブルース(エディ・コクラン)
5.アウト・オブ・リミッツ(マーケッツ)
6.京都の恋(渚ゆう子への提供曲)
7.ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン(陽気にやろうぜ)(ジェリー・リー・ルイス)〜ミーン・ウーマン・ブルース(エルヴィス・プレスリー)〜 ロング・トール・サリー(のっぽのサリー)(リトル・リチャード)(これらの曲を断片的に繰り返し)
8.イン・ザ・サマー・タイム(マンゴ・ジェリー)
9.テルスター(トルネイドース)
10.二人の銀座(山内賢と和泉雅子への提供曲)
11.夜空の星(加山雄三)
12.グリーン・オニオンズ(ブッカー・T. & The MG's)
13.ペネトレイション(ピラミッズ)
14.ワイプ・アウト(サファリーズ)
(休憩)
15.雨の御堂筋(欧陽菲菲への提供曲)〜京都慕情(渚ゆう子への提供曲)
16.北国の青い空(奥村チヨへの提供曲)
17.ジャンバラヤ(ハンク・ウィリアムズ)
18.クラシカル・ガス(メイソン・ウィリアムズ)(以上、アコースティック・コーナー)
19.ウォーク・ドント・ラン(急がば廻れ)(ジョニー・スミス)〜パーフィディア(アルベルト・ドミンゲス)〜木の葉の子守歌(バーニス・ベトキア)〜ウォーク・ドント・ラン
20.サーフ・ライダー
21.ザ・スウィッチ
22.サーフィンU.S.A.(ビーチ・ボーイズ)
23.ゴー・ゴー・ウェイヴ(19〜23のリード・ギター:ボブさん)
24.ホワッド・アイ・セイ(レイ・チャールズ)(Vo:ジェリーさん)
25.朝日のあたる家(作者不詳のトラッド・フォーク。アニマルズの歌が有名)
26.ハワイ・ファイヴ・オー
27.ダイアモンド・ヘッド
(アンコール)
28.キャラバン (デューク・エリントン楽団)
オープニングの1から、お客さんが手拍子をして盛り上がりました。2は、この曲がリチャード・ロジャーズ*4作曲だと最近個人的にわかり、それで旋律が心地良いのかと納得し、益々この曲が気に入りました。ひと通りお馴染みの曲が続き、ボブさんが「ベンチャーズの、オリジナルサッキョク」と言って紹介した6を、ジェリーさんがシタールギターで弾きました。今回はありませんでしたが、ローリング・ストーンズの「黒くぬれ」とのメドレー・バージョンは最高です。
7では、ドンさんがノリノリのボーカルを披露しました。プレスリーばりの低音が良く通る声で、歌もうまくて驚きました。お馴染みの2曲のあと、再びベンチャーズ歌謡の10、そして3に続いて加山さんの11です(どちらも、ベンチャーズのサウンドにマッチしていると思います)。休憩前の3曲も馴染み深い曲で、特に14では、リオンさんのドラムテクニックは迫力がありました。
「スコシキュウケイ」(ドンさん)のあと、アコースティック・コーナーになり、ボブさんもウッドベースを演奏しました。日本の風景を見事に描いた15や16を聴いていると、本当にその土地の情景が浮かんで来るから不思議です*5。カントリータッチの17も、この編成で聴くとバッチリ合うと感じました。18はジェリーさんの独壇場で、哀愁ある旋律と目まぐるしいテンポチェンジと変拍子が印象的です。
19〜23は、ボブさんがリード・ギターを担当しました(かつて、ボブ・ボーグルさんが担当でもありました)。その中で22は、今年発売のアルバムからです。意外にも、まだ取り上げていなかったようですが、もちろん、ベンチャーズのアレンジにピッタリです。23は今回の新曲で、夏の雰囲気がよく出ていたと思います。
さらに24では、ジェリーさんの歌声が聴けました!リード・ギターを弾きながら歌うのは大変だろうと思いましたが、なかなか味のある歌声だったと思います。曲の後半ではお客さんと掛け合いもあり、盛り上がりました。25では、「お約束」でジェリーさんが客席を少し回りました。よく、歩きながら弾けるものだと感心します。そして、26と27の名曲の後、アンコールになりました。
アンコールの前、お客さんが何人かステージに近付いて、4人にプレゼントを渡しました。これも、ベンチャーズライブの特徴です。
28では、やはり「お約束」でリオンさんの長いドラムソロがあります。そのテクニックたるや圧巻で、何度も拍手が起こりました。しかも、後半になってバスドラムとスネアの音が出るポータブルのドラム(大き目のポーチか飯ごうのようでした)を首からぶら下げてドラムソロを続けただけでなく、ステージから降りて客席の前のほうでお客さんにも叩かせていました。再びステージに上がると、やはり「お約束」でボブさんが抱えているベースをドラムスティックで叩くのですが、ポータブルドラムも叩きながらベースの弦も叩くという、大変器用なパフォーマンスでした。
もちろん、演奏終了後は拍手喝采で、どん帳が下りるまで、メンバーは客席に手を振っていました。
久しぶりのベンチャーズ公演は、本当に楽しかったです。また今回、ベンチャーズのオリジナルと思っていた曲が、実はカバーだったことも分かったので勉強になりました(アレンジのクオリティの高さを再認識しました)。ベンチャーズの皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました!また、ぜひ聴かせて頂きます。9月までの日本ツアー、何とぞお元気で頑張って下さい!
*1:20世紀最高の音楽家集団と言われるビートルズも、最初はエレキバンドとして活動及びデビューしました。エレキバンドの先駆けとして活躍していたベンチャーズも影響を与えていたと言えるでしょう。
*2:1996年にドラムのメル・テイラーさんが63歳で、2009年には初代リード・ギター及びベースのボブ・ボーグルさんが75歳で他界しました。リオンさんはメルさんの息子で、スポルディングさんはサポートメンバーとして活動していました。また、2代目リード・ギター担当で、1999年以降の冬の公演は毎回来ていたノーキー・エドワードさんは、2012年の秋に病気で倒れて以降来日はしていませんが、今年の秋にソロで来日予定です。
*3:ファンサイト「ベンちゃん’s ア・ゴーゴー」参考。
*4:『サウンド・オブ・ミュージック(「ドレミの歌」「エーデル・ワイス」などで有名)』『南太平洋』の作曲者。